仕事終わりに勉強や筋トレをしようと意気込むも、気付けばYoutubeやSNSに時間を費やして結局何もできなかった…。誰もが陥るこの現象について、その原因と対処法をご紹介!
なぜいつまでも続けられるのか
スマホは一度触ってしまうとなかなかやめようという気になれません。なぜこのような状態に陥るのでしょうか。
理由は大きく分けて「習慣化している」「脳への刺激」「疲れにくい娯楽である」これら3つの観点から説明します。
習慣化している
まずは習慣化しているからについてです。人は何かを始めてからそれが習慣になるまでおよそ1~3ヶ月かかると言われています。
そしてスマホ利用について、総務省が行った調査によると20代の95%以上の方が毎日、平均4~6時間利用しているという結果になっています。
中でも動画視聴・SNSの利用が100分前後を占めており、利用時間のほとんどをこれらが占めていることも分かっています。
SNSは生活になくてはならないものとなりつつあり、Youtubeは会話の話題になったり、自分の興味があることを学ぶことにも使用できます。
友人からのLINEの返信やストーリーの確認、好きなYoutuberの動画更新など、不特定多数の時間にスマホをみるきっかけがあり、気付けば毎日長時間利用することが習慣となっています。
脳への刺激
続いて脳への刺激についてご紹介します。これは一言で言うと、スマホの利用によってドーパミンが分泌され、依存状態になっているということです。
脳への刺激、特に『報酬系』と言われる部分への刺激は人の行動や意志に大きな影響を与えるとされています。
毎日長時間利用することにより、常にドーパミンが分泌されている状態になり、タバコやギャンブル同様、暇さえあればスマホを触ってしまう依存状態になってしまいます。
疲れにくい娯楽である
最後に疲れにくい娯楽であることについてご紹介します。
娯楽は、自分から行動したり、コミュニケーションを取るような能動的娯楽と、リラックスして何も考えずに取り組むことができる受動的娯楽の、大きく分けて2種類に分類されます。まずはそれぞれの特性についてご紹介します。
能動的娯楽
能動的娯楽には、楽器やスポーツ、芸術や勉強、料理、旅行などが含まれています。このような娯楽は、自発的に行動することを通じて楽しむ娯楽であり、次のようなメリット挙げられます。
- 創造性が培われる
- スキルが身につく
- 達成感を得ることができる
- 心のリフレッシュができる
暇なときにギターを弾いたり、行ったことのない場所に旅行してみたりなど、自分の体を動かして、自分自身で体験することを通じてその時間を満喫します。
しかし、能動的娯楽には次のような難点もあります。
- 時間やエネルギーが必要
- 費用がかかる
- フラストレーションが溜まることがある
- 競争によるストレスを感じることがある
受動的娯楽
受動的娯楽には、Youtubeや映画鑑賞、SNS、テレビや実況動画の視聴などが含まれます。このような娯楽は、外部からのコンテンツを楽しむことができる娯楽であり、次のようなメリットが挙げられます。
- リラックス効果とストレスの緩和
- 気分転換ができる
- 様々な情報を学ぶことができる
- 会話の話題になりやすい
受動的娯楽を楽しんでいる間、意識が自分ではなくそのコンテンツに向きます。ストレスや嫌なことを忘れることができ、適度な時間であればリラックス効果をもたらします。
しかし一方で、次のようなデメリットも存在します。
- 時間やお金を無駄遣いをしてしまう
- 注意が散漫になる
- 運動不足や睡眠不足などの健康被害が起こることもある
- 情報過多によるストレスを感じる
特に最近ではYoutubeshortやTiktokなど、短い時間で満足度の高い動画が提供されているため、いつまでも自分の興味を満たし続けることができます。
また、複数のコンテンツ間で矛盾のある情報を提示しあっていたり、将来に対する不安を煽るような情報に触れることで、逆にストレスを感じることもあります。
そして、本記事の主軸である「スマホの利用」はこの受動的娯楽に分類されます。
受動的娯楽が疲れにくいこと、手軽に楽しむことができること、興味や好奇心を常に満たすことができること、このような要素が合わさり、何時間でも触ってしまう状態になっています。
時間を有効活用するために
このような、いわゆるスマホ依存の状態を抜け出すことは簡単ではありません。少しでも気が緩めばすぐにスマホを触ってしまいます。
これから紹介する5つの方法を用いて、時間をかけて、スマホの利用時間を減らしていきましょう。
使用時間に制限を設ける
人生の目標を立てる
2つ目に、人生の目標を立てることです。人生設計をすることは自分の現状を把握し、これから先どのような行動をすべきか明確にできます。
また、だらだらスマホを触らないモチベーションを維持することにもつながるため、自分のなりたい姿を具体的にイメージすることは大切です。
次に紹介する「目標に向けて能動的に活動する」ためにも、より鮮明に、現実味のある目標を立てましょう。
目標に向けて能動的に活動する
3つ目に、目標に向けて能動的に活動することです。先ほど紹介した目標を立てることも大切ですが、そこで終わっては意味がありません。
将来の自分の姿を想像し、実現するためにどのような努力をする必要があるのか、1年後にはどんな自分になっている必要があるのかなど、より具体的に達成に向けてすべきことを定めていき、目標達成に向けて毎日能動的に活動しましょう。
スマホなどの電子機器から離れる
4つ目に、電子機器から離れる時間を作ることです。休みの日にスマホを持たずに散歩したり、喫茶店に行って本を読んだりと、必然的にスマホを触れない状況を短い時間から作っていきましょう。
面白い発見があったり、喫茶店巡りにハマったりなど、新しい趣味を見つけることができるきっかけになるかもしれません。
カウンセラーや周りの人を頼る
5つ目に、カウンセラーや周りの人を頼ることです。自分1人では今まで紹介したことが実践できそうにない場合、ためらわずカウンセラーや周りの人を頼りましょう。
今回はスマホを取りあげていますが、なにかに依存することはあまり良いことではありません。
また、何かのストレスから逃れるために依存していることもあります。会社の責任やパワハラによるアルコール・タバコ依存、現実逃避によるスマホ依存など、原因は様々あります。
自分では目を背けたくなることでもしっかり追求し、改善策を見出すためにも、カウンセラーや周囲の人の力を借りることをお勧めします。
まとめ
以上、スマホを何時間も見てしまう理由とその対処法についてご紹介しました。
今回の記事では受動的娯楽が悪という印象をつけてしまいましたが、音楽や映画などの作品にしっかり集中しのめりこむことは感性を豊かにしますし、何も考えずにスマホを触って過ごす時間も適度なものであれば身体の休息になります。
ですが目的もないまま、なんとなく動画を流したり、ネットサーフィンをし続けることは、その時は楽しくても幸福度は低いとされています。
もしこのような状態に当てはまるようであれば、今回紹介した5つの対処法を思い出し、生活に取り入れることで時間をかけて改善しましょう。
- 時間を制限する
- 人生の目標を立てる
- 目標に向けて能動的に活動する
- スマホなどの電子機器から離れる
- カウンセラーや周りの人を頼る
短い人生です。限りある時間をより大切に、有意義に過ごすためにも、自分から能動的に学習したりスキルを磨くことで充実した人生を送りましょう!
参考:
総務省:『令和2年度情報通信メディアの利用時間と情報行動に関する調査報告書』
東北大学大学院生命科学研究科 脳情報処理分野 筒井 健一郎、東京都神経科学総合研究所 心理学研究部門 渡邊 正孝 :『報酬の脳内表現』
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