人は朝起きてから寝るまでの間に数千~数万回の決断をしています。コンビニでなにかを買うとき、デートのプランを考える時など、様々な場面に無数の選択肢があります。
今回は決断疲れとは何かについて解説し、その影響と対処法についてご紹介!
決断疲れについて
決断疲れとは、私たちが日常生活で選択を迫られる中で感じる疲れやストレスのことです。とある調査によると、決断疲れには2つの性質がある事が示されています。
それは「選択肢が多いほど疲れを感じる」ということと、「決断による疲れは蓄積されていく」ということです。
選択肢が多いほど疲れを感じる
晩御飯何食べたい?と聞かれるよりも、カレーかラーメンどっちが食べたい?と聞かれる方が答えることが簡単です。これは選択肢の量が関係しています。
何食べたい?と聞かれた場合、後者の選択肢のほかにも中華やハンバーガーなど、自分の知る限りの食事から、今の自分の状態も加味して、なにが最適なのかを考えます。
最近はあらゆる情報を簡単に知ることが可能になったため、1つの行動をするだけでも様々な方法や選択肢を事前に知ることができます。
選択肢の増加は一定程度であればプラス要素ではありますが、多すぎると決断することができず、行動すること自体面倒になります。その結果、結局何もしないままダラダラ過ごしてしまった経験もあるでしょう。
決断による疲れは蓄積される
スーツや車のオプションなど、複数回選択をしないといけない状況では、最初は自分でお気に入りのものを選びながら選択していくが、徐々に決断疲れが蓄積され、後半になるにつれて売り手の勧めるものを選びやすくなります。
選択肢が決められていても、その中でどれが最適なのかを毎回考えてしまう結果、脳が疲れてしまいます。
脳の疲れは体に現れにくいため症状を自覚することが難しいです。しかし体の疲れと基本的には同様で、回数を重ねることに疲労が蓄積され、途中で正常にできなくなります。
軽い決断でも回数をこなすことや、重要な決断をすることで脳に疲れが溜まり、身体は元気でも何もやる気にならない状態に繋がります。
決断疲れによる影響
決断疲れが蓄積すると大きく分けて3つの影響が現れます。それは「集中力の低下」「衝動的・投げやりな決断をする」「ダラダラ過ごしてしまう」の3つです。
集中力の低下
1つ目に、集中力が低下することです。決断疲れは脳の疲れとほぼ同義であると戦術しましたが、脳が疲れることで注意力が散漫になり、1つの物事に集中できなくなります。
午前中は仕事のパフォーマンスが高いのに、午後になると不要なことを考えてしまうことなど、もちろんただ疲れていることも原因ではありますが決断疲れが影響しています。
タスクの優先順位を考えたり、何をどこまで進めるか決めるだけでも疲れが蓄積し、集中力の低下につながるのです。
衝動的・投げやりな決断をする
2つ目に、衝動的・投げやりな決断をしてしまうことです。決断疲れが蓄積していると、ふらっとコンビニに入りスイーツを買ってしまったり、デザインや値段などを確認せずに洋服をネットで購入したりなど、正常な判断ができなくなることがあります。
重要な物事の決断や、大きな金額の買い物などは疲労がたまっている時間帯に行わず、できるだけ脳がリラックスしているときや午前中に行うことをお勧めします。
ダラダラと過ごしてしまう
3つ目に、だらだらと過ごしてしまうことです。決断疲れが溜まっていると、雑な決断をするだけではなく、決断や行動を後回しにすることにも繋がります。
仕事から帰ってすぐご飯を食べ、家事を済ませてお風呂にはいればゆっくり休めるものを、家に着くと同時にだらけてしまい、何もしないまま時間だけが過ぎているあの現象を引き起こします。
また、何から始めよう、何食べようなど、決断に時間がかかる優柔不断な状態にもなってしまいます。
決断疲れを防ぐには
ではこの決断疲れを防ぐために何ができるのか。完全になくすことは不可能ですが、これから紹介する5つの行動・意識を生活に取り入れることで、軽減することができます。
答えや選択を決めておく
1つ目に、答えや選択を決めておくことです。こうすることで、小さな決断の回数を減らすことができます。
コンビニで買う飲み物は水だけ、帰ったらご飯を食べる前にすぐお風呂に入るなど、次の日考えないといけないことを事前に決めておくことで、翌日の決断量を減らすことができます。
日常的に行っている決断は、初めて決めるものではありません。自分に合う選択を前もって決めておくことで決断疲れを防ぐことができます。
優先順位を決める
2つ目に、優先順位を決めることです。人はやらなければならないことを複数抱えたままでいるとパフォーマンスが低下します。タスクを片っ端から片づけられる人は良いですが、何も考えずに取り組むことは効率的とは言えません。
そこで大切になってくることは、その日に取り組む必要のあるタスクのうち、どのタスクを優先して終わらせるか、朝もしくは前日の段階で決めておくことです。こうすることで、優先度の高いタスクに集中して取り組むことができます。
急に別のタスクが振られたり、他のタスクを急ぐように言われるなど不測の事態もありますが、優先順位を考えることができるようになると決断疲れを防ぐことができます。
ルーティン化する
3つ目に、ルーティン化することです。この代表例として、スティーブ・ジョブズの有名なルーティンがあります。スティーブ・ジョブスは黒タートルネックにデニムという、いつも決まった服装でプレゼンテーションを行っています。
もちろん彼の印象を定着させる戦略もあるでしょうが、決まった服を着ることで決断疲れを防ぐことも目的にあります。毎日同じ服装とまではいいませんが、この曜日はこの服を着るくらいのルーティン化は誰にでもできます。
まずは毎日の服装や帰ってからすることなどでルーティンを確立できると、それだけで一日の生産性が大きく変わります。
まとめ
以上、決断疲れとはなにか、また決断疲れが及ぼす影響とその対処法についてご紹介しました。
まとめると、決断疲れの影響として次の3つの影響があります。
- 集中力の低下
- 衝動的・投げやりな決断
- ダラダラ過ごす
このような状態を引き起こす決断疲れを防ぐために、次の3つのことを意識しましょう。
- 答えや選択を決めておく
- 優先順位を決める
- ルーティン化する
しかし、今回紹介したこと以外にも悪影響やその対処法は存在します。自分に決断疲れの症状が見られないか今一度振り返り、自分に合った対策や対応を生活に取り入れることで、より一層仕事や学業のパフォーマンスを高めていきましょう!
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