社会人になり、様々な業務に携わったのち、ほとんどの人が必ず体験する後輩の教育。説明が苦手だったり、感覚で覚えいった人にとって知識を言葉にして伝えることは簡単なものではありません。
今回はそんな方でも実践できるような、後輩教育の際に心がけるべきことをいくつかご紹介します。
後輩教育の心構え
後輩教育を実施する前に、しっかり心構えをしましょう。次の3つのことを頭にとどめておくことで、心に余裕をもって教育に取り組むことができます。
何も知らない人に教える気持ち
1つ目に、何も知らない人に教える気持ちでいることです。あなたはある程度業務に慣れていますが、後輩はそうではありません。
例えば料理について説明するときは、いきなり工程の説明を始めるのではなく、「料理とは食材を調理器具を用いてよりおいしい食べ物に変身させることです」と、今から説明することがどんな目的なのかを先に伝えましょう。
あなたがいきなり工程の説明を始めても、導入でつまずいてしまいます。こうなってしまっては以降の内容が頭に入ってきません。何も知らない人に伝える気持ちで取り組みましょう。
知らないことは一緒に調べて理解する
2つ目に、知らないことは一緒に調べて理解することです。少しでも上の立場になると、人はちょっと見栄を張ってしまいがちです。
知らないことも知ってる風で伝えようとしてしまうと、上手く説明することも難しいですし、間違ったことを教えてしまう可能性もあります。
知らないことは恥ずかしいことではないので、「ごめん、自分もあやふやだから一緒に調べようか」と一緒に調べて学びましょう。淡々と教えるよりも相手の記憶にも残りやすいですし、後輩との関係も少し縮まります。
また、分からないことがあったら自分で調べる習慣をつけることを教えるきっかけにもなります。変に格好をつけずに、知らないことは一緒に調べてもいいんだとリラックスして取り組みましょう。
全部を教えきらなくていい
3つ目に、全部を教えきらなくていいということです。自分の経験や知識を1から100まで教えても、そのすべてを理解することはほぼ不可能です。
教えてもらうことと、実際に業務を経験する中で学ぶことは全然違います。
伝えることは大切ですが、教えたことのうちどれか1つでもできるようになってもらうことを意識して取り組みましょう。
上手く伝えるために
ここまでで、教育する前にしておくべき心構えができました。これから「教え方」について5つご紹介します。
今回ご紹介する内容はどの業種でも変わらない、汎用性の高いものとなっております。社会人でなくアルバイトでも使えますので、ぜひ実践してみてください。
しっかり準備する
1つ目に、しっかり準備することです。これは教育に関わらず何に関しても大切なことです。特に説明することに苦手意識がある人はこれに沢山時間をかけましょう。
説明する文言まで用意しておけば、自分の知識を存分に伝えることができます。苦手意識のある人の大半は準備に手を抜いていたり、何とかなるだろうとどこか楽観的に考えている節があります。
面倒ではありますが、備えあれば患いなしです。最初は特に時間をかけて準備することを心掛けましょう。
確認しながら説明する
2つ目に、確認しながら説明することです。これは教育においてとても重要なことで、認識のズレを防ぐことや、疑問をすぐに解決することにつながります。
例えば料理を説明するとき、食材を切る工程、調味料を用意する工程、切った食材を焼く工程それぞれで理解できているかその都度確認しましょう。
切る工程での疑問、調味料の用意での疑問、焼く工程での疑問、それぞれの疑問を忘れることなく解決することができます。
また、一気に説明してしまうと途中理解できなくなった時にそれ以降の説明が頭に入ってこなくなります。ちゃんとついてきているか、区切りの良いところで確認するよう心がけましょう。
全体の流れ・要点を伝える
3つ目に、全体の流れ・要点を伝えることです。これは相手にとって重要なことが理解しやすいことと、自分が何の説明をしているかゴールを見失わないことにつながります。
料理を例に説明すると、まずは「料理とは食材を調理器具を用いてよりおいしい食べ物に変身させることで、大きく分けて切る、味付けする、焼くの流れで実施します」のように全体の流れを説明します。
次にそれぞれの工程で重要なこと、切る工程なら「一口サイズ」であったり、焼く工程なら「焦げ目がつく」などを伝えましょう。
どんな料理でも大体このような流れで実施しそれぞれの工程でこんなことが重要である、のように業務の枠組みとその中で重要なことを最初に理解してもらうことを心掛けることで、相手にとっても自分にとっても、理解しやすい説明をすることができます。
数回のミスで叱らない
4つ目に、数回のミスで叱らないことです。教え方とは少しニュアンスが違いますが、要するにいきなりできないのは当然だから、できないよりもできたことを褒めることに注力しようということです。
心構えでもお伝えしましたが、教えたことすべてをできるようになってもらおうとせず、何か1つでもできるようになってもらうことに意識を注ぎましょう。
できなかったとき、叱りつけるのではなく、何をする必要があるか考えなおすことに誘導することで後輩の成長に繋がります。
ネガティブな雰囲気を作らない
5つ目に、ネガティブな雰囲気を作らないことです。先ほどと同様、これも教え方とは少し違いますが、あなたの状態も大切であるということを理解しましょう。
何をするにも暗い空気で行うとピリピリしますし、分からないことを聞きづらかったり、接しずらい人と思われてしまいます。
説明は下手でもなんとかなります。しかし後輩との関係は一度距離を取られてしまうと縮めることが難しくなります。伝えることも大切ですが親しみやすい人である努力に注力しましょう。
まとめ
以上、教育における心構えと、上手く伝える方法をご紹介しました。結論、気合を入れすぎる必要はないということ、自分が何を伝えたいのかはっきりさせておくことが大切です。
次の5つのことをどれか1つからでも構いません、実際に意識してみることで少しでも教育に対する苦手意識を軽減していきましょう。
- しっかり準備する
- 確認しながら説明する
- 全体の流れ・要点を伝える
- 数回のミスで叱らない
- ネガティブな雰囲気を作らない
教育は一朝一夕で上達するものではありません。後輩に教えると同時に、自分が教育について学んでいる状態であることを理解し、1年後や2年後新たにできる後輩に、より上手な教育を施せるよう成長していきましょう!
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